

神経疾患
代表的な神経疾患、腫瘍疾患と検査法などをご紹介します。
当院内で問診、身体検査、血液検査、レントゲン・超音波検査に加え、神経学的検査を行います。検査結果によってはCT,MRI脳脊髄液の検査等が必要になることがあります。そのような場合や脳外科手術が必要な場合には検査センター、大学病院をご紹介いたします
てんかん
【原因と症状】
ワンちゃんのてんかんは、特にダックス、ビーグル、プードル、シェルティー、シェパード、ハスキー、テリア系、レトリバー系は特発性てんかんの遺伝的な要素を持っていることが知られています。
症状としては、脳の一部または全体が興奮状態となり、全身性の発作やからだの一部に痙攣が起こります。てんかん発作には、意識が無くなって倒れ痙攣するといった大きな発作から、体の一部がぴくぴくと震える程度のものまで、様々なケースがあります。
【検査と治療】
身体検査、血液検査、レントゲン検査、神経学的検査、必要に応じて脳脊髄液検査、MRI検査などを行い原因を調べます。発作には抗てんかん薬によるコントロールを行います。ただし、てんかんの中には難治性てんかんといわれる治療に反応が悪くコントロールの難しいものもあります。
脳腫瘍
【症状と原因】
多くは高齢の動物で発症します。腫瘍のできた部位により様々な症状を引き起こします。症状は発作、麻痺、性格の変化、視覚消失、前庭症状、歩行異常など様々です。
【検査と治療】
MRI、脳脊髄液などの検査によってある程度の診断は可能です。
腫瘍のできる部位、種類により異なってきますが、治療は一般的には外科手術、放射線治療、抗がん剤、免疫療法、対症療法などが選択されます。
椎間板ヘルニア
【症状と原因】
背骨と背骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板が飛び出したり腫れてくることで脊髄を圧迫し発症します。痛みだけの軽いものから足が全く動かなくなるような重度なものまで様々です。
【検査と治療】
病歴、症状、神経学的検査等から疑いを持った場合は必要に応じて追加検査を行います。確定診断にはMRIが最も有効です。
治療は軽度であれば安静に努め、内科的に治療をおこないます。内科治療に反応がないものや重度な場合は手術が必要となります。
脳梗塞
【症状と原因】
脳の血管が詰まることで急に症状がでます。多くは中〜高齢に発症します。詰まる場所により症状は様々です。
【検査と治療】
問診や年齢、その他のデータ、症状と検査により診断をします。確定診断にはMRIが必要となります。
治療は急性期であればフリーラジカル除去と脳浮腫の軽減のためステロイド投与などの治療と支持治療を行います。
水頭症
【症状と原因】
ほとんどは生まれつきのもので、脳脊髄液(脳や脊髄の周囲には液体があります)がうまく流れなくなっています。その結果、主に側脳室という場所に大量の液体が貯まり、周囲の脳を圧迫して神経症状がでます。時に脳腫瘍などが脳脊髄液の通り道を塞ぎ発症することもあります。
発作、ふらつき、視覚障害、元気がなかったり物覚えが悪かったりといった症状がでます。
【検査と治療】
軽度なものは内服薬でコントロールします。重度なものや進行性の場合は外科的な処置が必要になることもあります。
前庭疾患
【症状と原因】
前庭といわれるバランス器官が障害され発症します。小脳、脳幹部の障害によるものを中枢性、前庭神経の障害によるものを末梢性と分類します。末梢性前庭障害は中耳炎から続発することもあります。また、ホーナー症候群、顔面神経麻痺などの症状を伴うこともあります。
眼振(目が左右、上下、回転します)、斜頸、まっすぐ歩けず転んでしまう、といった症状がでます。
検査と治療
レントゲン、神経学的検査などで疾患を鑑別します。必要に応じてCT、MRIなどの検査を行うこともあります。
原因疾患により異なります。感染性(感染性中耳炎など)では抗生物質を中心とした
ものになり、脳腫瘍では放射線治療、時に抗がん剤などが中心となります。脳炎では
ステロイド、免疫抑制剤でコントロールします。
腫瘍疾患
当院内で問診、身体検査、血液検査、レントゲン・超音波に加え、細胞、組織の検査を行います。必要に応じてCT、MRI、その他特殊検査をお勧めいたします。ご希望があれば専門機関をご紹介が可能です。外科手術後には組織病理検査を行い確定診断と悪性度の確認も行います。
リンパ腫
【症状と原因】
リンパ腫とは犬、猫ともに最もよく見られる造血系腫瘍です。骨髄中でリンパ球がガン化してしまうと、腫瘍性リンパ球が増殖するため、他の血液細胞の増殖を抑制し「リンパ球性白血病」の状態になります。リンパ腫は骨髄ではなく、リンパ組織がガン化するので、リンパ組織のある所なら何処でも発生します。
犬では体中のリンパ節が腫れる「多中心型リンパ腫」が一番多くみられます。そのほか胸の中のリンパ節が腫れて、胸の中に水が溜まる「縦隔型(胸腺型)リンパ腫」や腸管のリンパ組織がガン化する「消化器型リンパ腫」などもあります。
【治療の方法】
患部のリンパ節を手術で切除します。体の小さな犬では、化学療法によって治療する場合もあります。
がん細胞のなかでも、とくにリンパ腫およびリンパ肉腫には、炭水化物で異常増殖する細胞があるというデータがあります。
よって、炭水化物を豊富に含む食事を避け、かわりに高脂肪の食事を勧める場合もあります。
この種の食事は味もよく、高エネルギーです。高脂肪の食事を長期間与えることによって、脂肪を自身のエネルギーに利用できなくなったがん細胞は、死滅する可能性があります。
乳腺腫瘍
【症状と原因】
発情に伴う女性ホルモン分泌により乳腺細胞が刺激を受けます。繰り返すことで一部が腫瘍化します。
初期の症状はお腹に小さなしこりができます。放っておくとだんだん大きくなり、場
合によって多発してくるものもあります。犬では良性と悪性が半々、ネコでは多くが悪性です。
悪性の場合には転移することがしばしば見られます。肺や骨への転移が一般的です。
【検査と治療】
針生検にて腫瘍の疑いが強ければ外科的に切除します。その後病理検査結果により抗がん剤治療を検討します。
肥満細胞腫
【症状と原因】
肥満細胞腫とは、肥満細胞が腫瘍になったもので、高齢期の犬に発症しやすい病気です。脾臓や腸管などに大きな腫瘍ができれば、胃潰瘍になったり出血によって貧血状態に陥る時があります。
ボクサーやブルドッグが発症しやすく、四肢・会陰部・頭部・首などに発生します。
【治療の方法】
肥満細胞腫と考えられる症状がでたら、血液検査・組織検査・およびレントゲン検査などによって詳しく診断します。
腫瘍の部分を手術で切除する治療が一般的ですが、四肢や頭部に腫瘍を発見した場合、切除するのが難しくなります。腫瘍の境界が不透明なら外科手術のみでなく、化学療法や切除した腫瘍周辺の組織への放射線治療を併用するのが必要です。
体のあらゆる箇所に同時多発的に発症や転移を起こしていたなら、外科手術や放射線治療も効果がでにくいので、抗がん剤およびステロイド剤などを投与する化学療法がメインとなってしまいます。
口腔内腫瘍
【症状と原因】
口の中(歯茎、舌、頬粘膜など)にしこりができたり、潰瘍ができたりします。痛みがあると涎が増え、しきりに口を気にするようになります。特に猫では食欲がなくなってしまうこともしばしばです。良性のものはエプーリス、過形成などがよくみられ、悪性のものでは悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫などが主にみられます。
【治療の方法】
しこりが見つかれば生検を行い、レントゲン検査を行い周囲の組織を精査します。悪性腫瘍の疑いが強い場合には周りの骨を含め切除します。その後化学療法を検討します。放射線治療が効果的なものもあります。。
この種の食事は味もよく、高エネルギーです。高脂肪の食事を長期間与えることによって、脂肪を自身のエネルギーに利用できなくなったがん細胞は、死滅する可能性があります。
皮膚腫瘍
【症状と原因】
良性のものから悪性のものまで様々な腫瘍があります。
【検査と治療】
針生検が最初の検査として行われます。必要があればコア生検(針よりもたくさんの組織を採材し検査をします。)を行い診断します。その後手術により切除し、病理検査を行います。必要に応じて抗がん剤、放射線などのオプション治療を検討します。
骨肉腫
【症状と原因】
骨肉腫とは、骨にできる腫瘍のひとつで、完治の難しい悪性腫瘍です。7、8歳ぐらいの大型犬が特になりやすく、発症した場合、肺に転移して悪性腫瘍が増え、急速に悪化していきます。
症状としては、足を引きずる行動がみられ、患部を触ると激しく痛がります。
原因は、はっきりと分かっていないものの、過去に骨折したことがある犬や、体重が重い大型犬がよく発症するため、骨に対する負担が原因ではないかと言われています。
大型犬の発症は、中・小型犬の8倍といわれています。
約75%は四肢に発生し、残りがその他の骨格(下顎・上顎・脊椎・頭蓋骨・肋骨・鼻腔・骨盤等)に認められます。
初期段階で放置すれば、すぐに肺に転移し、1年もたたないうちに生命の危険があります。
【治療の方法】
もっともよく行われる治療法は、再発と転移を防ぐ為に、腫瘍ができた骨の上位にある関節部からの外科的手術による切断です。
手術の他、抗がん剤の投与などが行われます。
予防には骨を支える筋肉を適度な運動で発達させることや肥満にならない為の食事管理が大切です。
料金表
神経学的検査 |
2000円 |
針生検(皮膚・皮下腫瘤) |
2500円/箇所 |
針生検(内臓腫瘤 超音波ガイド) |
4000円〜/箇所 |
細胞診(病理専門医委託) |
7000円〜 |
病理組織検査 |
15000円〜 |
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